2020.11.21

ブログを何人が見に来たかとう数字を見ている。だいたい1,2人で、多い日でも10人弱というのが2回くらいあっただけで、だから、なぜか1日30人以上見に来ている日があったときは驚いた。増やそうと思うこともないんだけど、やっぱり読んでくれている人がいると思うと、嬉しい。

そもそもこのブログをはじめたのは、友達に見られたくないから。以前は映画の感想中心のブログをやってて、SNSもやっているんだけど、ストレスで見え方に違和感がとか、将来が不安とか、ぐちとか書けなかった。友達はみんな優しいから、心配したり、励ましてくれると思うんだけど、性格悪いこと言うけど、そういうのがいらなかった。誰かに分かってほしいと思いながら、私の悩みは誰にもわかるわけないと思っていた。わかられてたまるかぐらいに思っていた。見栄っ張りで自意識が過剰だから、自分の弱いところなんて人に見せられない。人に悩みを相談するのが下手で、悩みの核心に触れないように話したり、一般論にすり替えたり、そんなには気にしてないんだけどねってスタンスで話そうとする。だから伝わらない。

なのでこのブログは、旅先とかどっかでたまたま居合わせて、もう絶対に会わないだろう人に話す感覚で書いている。もちろん、こんなに長くは話さないけど。そういう人だから話せる心境ってある。

数年前、ダイアローグインザダークに参加した。暗闇の中、杖を持って歩く。途中、ブランコがあって順番に乗ったり、道が細くなっていて譲り合って進んだり、カフェスペースがあって、コーヒーやお酒を飲む休憩の時間もある。目が見える状態だったら、例えば道が細くなっていても見ればわかるし、なんとなく1列になって進むけど、まず先頭を行くガイドから「道が細くなってます」って呼びかけがあって、先頭近くにいる参加者が「〇〇(その人の名前)が渡ります」と、いっぺんに人が渡らないように声を掛け合って進んでいく。その声を頼りに、自分が細いに道に近づいているのが分かる。休憩所でのメニューも、ガイドが読み上げてくれるんだけど、みんな覚えきれなくて何度か読んでもらったり、メニューを確認したり、普段いかに見えることに頼っているかを実感した。その途中、一旦座って休みましょうという場面があった。ガイドが近くに座っている人とペアを組んで感想言ってみてくださいって言い、声を掛け合ったり、手で周りを探ってみたりして、ペアを組んだ。私のペアを加藤さんとしよう。加藤さんは声の感じから同じ年くらいの女性で、ブランコが面白かったとか、感想を言い合っていた。ふと、話の途切れた瞬間があって、そしらた加藤さんが「私、もうすぐ目が見えなくなるんです」と言った。確か、病気で今も見えずらくて、特に片目はほぼ見えなくて、もうすぐ両目が見えなくなると言っていた。見えなくなったらどうなるのかなって知りたくて、今回来たんです。来る前は怖かったけど、今は来てよかったって思ってますって言った。確か。突然のことで私は何も言えなくて、何か言わなきゃと思ったら、ガイドが「じゃあ、休憩終わりです。行きましょう」って言って、お互いにお礼を言って、先に進んだ。

ここに悩みとか愚痴とか書きながら、私はよくこのことを思い出す。もちろん、加藤さんとはその後会っていない。終わった後に明るいロビーでアンケートを書いたけど、参加者が女性ばかりでどの人が加藤さんか分からなかった。だから、加藤さんがどんな思いで私に話をして、話してみてどう感じたかは分からない。ただ、私はここに書くことで、誰が読んでいなくても、救われている。