2020.12.8

ツイッターで展開されている「ぽっぽアドベント」毎日3つも記事読んでいると、楽しいし、皆さん文章が上手いので、自分も上手く書けるような錯覚に陥る。うまい文章ってなんだろうと考えて、思い出したのが、VOGUE JAPANの編集長のページだ。一時期、雑誌がたくさん置いてあるカフェに月1,2で通って、ファッション雑誌を読んでいた。このページは目次付近にあって、その号がなぜこの特集を組むに至ったかが書かれている。社会やファッション業界がこういう動きの中で、私たちはこの価値観を提示したい。だからこの人にインタビューをし、ここに取材に行った、というような内容だ。こう書くと味気ないように見えるが、そんなことはない。読むと、これから雑誌をめくるのが楽しみになるような文章だ。ページは1ページだが、イラストが入ったり、余白を多めにとっているので、文章は3分の1くらいのスペースに収まっている。コンパクトに特集の紹介、価値観の提示、そして、読者に何を伝えたいか、感じ取ってもらいたいかがきゅっと詰まった文章だ。文章が上手くなりたいと思っていたので、スマホで写して繰り返し読んだり、ノートに書き写したりしていた。

書くのが好きだと知ったのは、小6の時だ。担任がクラスの全員に、毎日日記をつけて提出するように言った。めんどくさいと文句を言いながら書いている友達もいる中、私はおもしろいと思った。中学に入ってからは新聞係になって学級新聞を書いたり、修学旅行のしおり係になって、旅行で行く土地の歴史や特徴を調べて書いたり、タイムスケジュールはここに載せる、買ったお土産を書くページは後ろに載せるとか編集もしていた。誰に褒められたわけでもないし、しおりの記事なんて読まれもしないだろうけど、関係なかった。それが楽しかった。それでも、一度だけ、中学の国語の先生に文章が上手いねと言ってもらえたことがある。これは嬉しかった。

物語を書いたことも、ちょっとある。「女神の見えざる手」という映画がきっかけだ。ロビー活動を行うミス・スローンが主人公で、目的のためなら手段を選ばない冷酷な人物として書かれている。主人公は何を考えているのか、裏切り者は誰なのか、騙されているのは誰なのか、先が読めない展開が面白かった。そして、この脚本家がこの映画がデビュー作と知り、驚いた。調べてみると元々イギリスの弁護士で、クリエイティブな仕事をしたいと辞めて、アジアで英語教師をしながら独学で脚本を学んだという。その方法というのが、脚本を半分読んで、半分自分で書くというもの。これは面白そうと思ってすぐ真似をした。それまでシナリオはト書きとセリフだけであまり情報がなくて面白みがないなと感じていたけど、後半を書くという目的で読むと、めちゃめちゃに情報が詰まっていることを知った。というか、そこから情報を読み取る読み方で読むようになった。登場人物が何を言い、どんな行動をとっているのかを拾って、そこから、何かが起きたときにこの登場人物はどんな行動をとるのか、何を言うのかを考えていくというのが面白かった。今書いて気が付いたが、これは普段映画やドラマを見ている時の見方だった。他の人が書いた脚本を読ませてもらって、残りを勝手に書いているので、設定や登場人物の作り込みみたいなのはやっていない。(やってみてわかったが、設定作るのに一番時間が掛かるような気がする。そこただ乗りさせてもらって、すみません。)だから書いたことがあるとは言えないが、書いた半分のうちのいくらかは自分が考えたことなので、「ちょっとある」にさせてもらった。この作業は面白いのだけど、時間がすごくかかる。頭も使う。またやりたいけど、今は難しい。

書くのが好きと、文章が上手いは両立しないけど、好きだから続いている。私は日記でも、ブログでも自分の過去の文章をたまに読む。結構いいこと書いてるじゃんと、自画自賛したりもする。