2020.12.10

今年の8月の連休、市内のホテルに2泊した。毎年夏休みは旅行に行くこともあれば、普段の休みと変わらず映画見に行ったりカフェで本読んだりしている。今年はコロナの影響で旅行にはいけないから家で過ごそうと思っていたが、前からやってみたかったことをできるチャンスだと気が付いた。それは、ホテルでのんびりじっくり本を読むこと。

旅行には本を必ず持っていくが、読むのは移動の時間なので、ホテルで読むことが少ない。旅先のホテルの部屋でのんびり過ごすという発想がなく、いつもシングルタイプのビジネスホテルに泊まっている。一度、部屋調整でツインのめちゃめちゃ広い部屋に案内されたことがある。その時はいつも泊まる全国展開しているビジネスホテルとそのホテルの部屋代金がほとんど変わらなかったので、いつものところにしなかった。地元の人いわく、市内で一番料金が高いホテルとのことだった。案内された部屋は38階建ての36階だった。こんな高層階泊まったことないし、係の人が部屋まで荷物運んでくれるし、部屋は広いし、思わず追加料金ないですよねって確認してしまった。部屋は広いし、ベッドはでかいし、テレビが置いてない机もあるし、椅子はふかふかだし、窓からは海が見えるし、部屋から出たくない、ここでのんびりしたいと思った。でも、行きたい本屋はあるし、古民家を改装したカフェにも行きたいし、名物も食べたいしと、予定通り観光にでかけた。旅先では結構びちびちに予定を入れてしまう。だいたい一人で行くので、夜はテイクアウトして部屋で食べることも多いが、のんびり本を読もうという気分にはならない。だからといって観光する必要のない市内のホテルに泊まるのも、お金がもったいない気がする。そんなわけでなかなか実行に移せなかった、このやりたいことを、やるにはいいタイミングだと思った。GO TOはまだやっていなかったが、市が組んだ商品券がもらえるキャンペーンがあった。しかも、オープンしたばかりのホテルがオープニングキャンペーンで安くとれた。2泊で7000円で、商品券が6000円返ってきた。

2泊3日の読書旅行。読んだ本は、チョン・セランの「フィフティ・ピープル」と読みかけだったケイト・ザンブレノの「ヒロインズ」の2冊。部屋はツインで、薄いグレーを基調とした落ち着いた内装だった。バストイレが別で、洗面台も別に設置してある、贅沢な作りだった。ホテルから出ないのもいいかなと思ったが、中日に当たる日に以前から病院の予約を入れていたのでそのために出かけた。用事が終わったら真直ぐホテルに帰ろうと思ったが、せっかく近くまできたからと、お気に入りのカフェに寄ってしまった。朝食は別料金だったが、1日だけ頼んだ。ボリュームがあって食べきれなかったので、残りは昼に食べた。飲み物が数種類の中から選べて、オレンジジュースをお願いしたら、なぜか選択肢の中にあったコーヒーもついてきた。

本を読むためだけにホテルに泊まるという贅沢を味わった。だた、残念だったのが、間接照明だったからか、夜になると机の辺りが暗くなってそこで本が読めなくなってしまったこと。洗面台の明かりが一番明るかったので、そこに椅子を持っていって読んでいた。本を読むには明るさが大事。本を読むことをコンセプトにしたホテルがあると聞く。泊まれる本屋みたいに本がたくさんあるホテルがあると聞く。そういうところは、部屋の明かりもしっかり明るいのだろう。中学生の頃、部屋のランプシェードを買ってもらった。金属で色は黒、三角帽みたいな形だった。しかし、部屋が暗くなってしまい、子どもの頃から目が悪かったので、親から暗くて目を悪くするからダメだと、元々家にあった黄色いプラスチックのまあるい形のものに変えられてしまった。間接照明もおしゃれなランプシェードも憧れるけど、暗いと目に悪いから、明るさ重視だ。

また読書旅行やりたい。泊まれる本屋みたいなホテルにも泊まりたいが、違う土地に行くとどうしても観光したくなる。