2021.1.16

ディスタンクシオンのテキストに、ブルデューに興味を持ったら読んでみてくださいと紹介されていた本を借りてみた。磯直樹さんの「認識と反省性」。ちょっと軽い気持ちで読んでみようと手を出していい本じゃない雰囲気。専門性を必要とするような本。読めるかなと不安になる本に手を出すときは、ページ数を読む日数で割る。図書館は最大4週間借りられるので、28日間で読むと考えると、1日14ページでいい。こうすると、なんだか読めるような気がする。コツとしては、14ページ読めたらそこで終わること。以前目標のページ数を読み終わってもまだ読めそうだったので続けたら、次の日、昨日多めに読んだから今日はいいやって思って、そのまま数日放置して、数日後に遅れた分取り戻そうと頑張って読む、みたいのやったら、結局嫌になって読み切れなかったことがある。なので、仮に多めに読むにしても数ページにとどめておくのがいい。ただ、次に借りたい人がいたら2週間で返さないとなので、どうか、4週間借りられますように。

さっそくサンクスシアターで作品を見る。「火星の人」映画を撮りたい女子高生、一希。でも撮りたいものが見つからない。ある時、記憶障害の小山田という男性と出会う。彼はいろいろなことを忘れないようにテープレコーダーに吹き込んでいた。彼を火星から来て地球になじめない人として取ろうと一希は思いつく。続く感想にはネタバレがあります。

一希ちゃんの失礼さとか、強引さとか、よかった。女子高生という肩書がそれ以上の意味を持たず、映画が撮りたいけど何を撮っていいかわからない、多分学校でうまくいっていない女子高生として書かれている。女子高生に性的な意味合いを持たせないというだけで安心して見られる。そして、小山田という34歳の男性との関係もいい。一希ちゃんは小山田にテープレコーダーがないと怖いんでしょと迫るが、逆に小山田からカメラを向けられてそっちだってカメラが怖いんだろうと突きつけられる。一希ちゃんが映画を撮ることにどうしてこだわっているのか、怖くない怖くないと言いながら、何から目を背けているのか。人にカメラを向けること=人と向き合うことになるのに、一希ちゃんは人と向き合うこと、それを避けていたんだよね。その一歩を踏み出したラストシーンがよかった。悪いことしたらちゃんと謝れる一希ちゃんはいい子。気になるのは、テープレコーダーに「今日も生きた」と吹き込む小山田さんの過去。何があったんだろう。

この監督は名前覚えておこうと調べたら、「東南角部屋二階の女」の監督さんだった。池田千尋監督。しかも、プリンセスメゾンも監督していた。このドラマ好きだった。