2021.3.12

「ウチ、断捨離しました!」のとある回が「クイァ・アイ」みたいだという噂を聞き、見てみた。

断捨離の提唱者である、やましたひでこさんがモノを捨てられない家族の元を訪れ、「モノと向き合い、「今の自分にとって大事なことは何か」に向き合う」家族の密着バラエティーとのこと。「クイァ・アイ」はネットフリックオリジナルのドキュメンタリーで、変わりたいのに変われないなど悩みを持つ相談者の元に、5人のゲイがやってきて、料理、美容、住まい、ファッション、カルチャーの面から変えていく番組。住まいに特化しているわけではないんだけど、相談者の中にはモノであふれていたり、もう使えないのに捨てられないモノをため込んでいる人もいる。あとは、逆に簡素すぎて必要な機能を果たしていなかったり、仕事とプライベートの空間がごっちゃになっていたりする。衣食住って、自分の心理状態とかなり密接につながっているんだなと、見ていて思う。

今回見た回は、モノが捨てられない70代の母親が、脳梗塞で倒れたことから、断捨離を決意。2人の娘に手伝ってもらい断捨離をスタートするが、一度捨てたものを拾ってきたり、壊れているのに捨てないと言い張ったり、全然進まない。娘たちの色々策を考えるが、母親はこれは使うあれも使うと捨てる気がない。ある日、お昼にしようと3人で食卓を囲んでいる時、次女が「私は汚いところに住んでいるとストレスなんだけど、お母さんは?そんなことないの?
」と何気なく聞いたことがきっかけで、転機が。考え込んでしまい返事ができない母親。そして、「自分に自信がないから、モノで埋めていた」と話し出す。子供時代、周りの友達は親が裕福でかわいい洋服を買ってもらっていたけど、自分は買ってもらえなかった。だから自分で作るしかなかったと。結婚して初めて色々なものが買えるようになって、最初に買ったのが海外産のミキサー。もう刃がかけていて使えないのに捨てられず、今も家にある。それは、自分でもモノが買える、自分で選べるという、母親にとっての象徴だったのだ。これに気が付いた母親は、これもいらない、あれも捨てると、激変。母親の話を聞いた娘たちは、自信がないなんて、そんなこと思っていたの知らなかったと言う。そこに、やましたひでこさんがやってくる。やましたさんは、母親に「今日は断捨離の続きをするつもりで来たけど、違うことをする」といい、「この家の中で一番手入れがされていないものは何か」を尋ねる。母親は「私自身だ」と答える。この家にはモノはたくさんあるのに、そのどれもが手入れがされていない。それは必要ないと思っているからだとやましたさんは指摘する。母親は美容室と眉サロンへ。なんと、美容室に行くのは50年ぶりだという。帰ってきた母親の嬉しそうな顔。そして、母親はあのミキサーを捨てる決意をする。娘が新しいミキサーを買ってくれたのだ。

今回の女性の場合は、自信のなさをモノで埋めていたけど、例えば、私の場合だったら不安を勉強することで埋めていたり、一時期は忙しくすることで埋めていた。きっと人それぞれあると思う。モノを買うことも、ある程度忙しくすることも、悪いことではないと思う。でも、モノが増えて生活に支障が出たり、忙しくしすぎてストレスで体調崩したり、生活が乱れたり、度がすぎると、それは、その行動をとらせる根本に向き合いなさいってサインなのかもしれないと改めて思う。そして、私も何かを埋めるように買ったモノがあり、それは今も捨てられない。クローゼット中で結構な場所を取っているから、正直邪魔なんだけど、やっぱり捨てられない。番組のホームページにやましたひでこさんの断捨離動画があるから、見てみようかな。