2022.2.10

ロッキード事件の再現ドラマおもしろかった。検察の仕事はどぶさらいだ、そこにきれいな水を流すのかどうかは、政治家、メディア、もっと言えば国民一人ひとりの仕事だというセリフがある。NHK記者のセリフで、これを報道しなきゃジャーナリズムの死だというセリフがある。正直、この再現ドラマは検察中心なのでメディアの書き方に重きは置かれていない。ただ、児玉に対する捜査が進まない中、検察の吉永が、NHK記者に「何をすれば国民は納得するんだ」と迫るシーンがある。これはメディアの役割を示す印象的なシーンだった。国民の目を気にする検察は、国民の動向をメディアに問う。メディアは事件の内容、進展を国民に伝え、また、国民の動向を掲載することで、検察や捜査機関へプレッシャーをかけるというか、監視の役割を果たしていたのだろう。この頃はジャーナリズムが生きていた。国民もデモをして怒りを表明していた。きれいな水を流すためにどうするかは、自分にも問うていかないと思うんだけど、まずは、どぶをきれいにしてほしい。検察の取り調べが怒鳴るとか、机を叩くとか、荒々しい感じではなくて、本当は時効が迫っていて時間がないのに、口を割らない相手に、「まあ、時間はありますから、ゆっくりきましょう」と、ないはずの余裕を見せて、手の内を明かさずに追い詰めていく感じで、怖い。小心者の自分は絶対に耐えられないから罪を犯すことはしないでおこうと思った。続いてドキュメンタリー部分に入る。もう過去のことだからか、関係者が色々話してくれる。「コールドケース」みたいだなと、ドラマのことを思い出した。

ブックオフから買い取り金額アップしますよってお知らせが来た。ということは、それまでに買って読み終われば売れると考えてしまった。本は売ること、手放すこと前提で買っているみたい。収納の問題もあるし仕方ないんだけど。壁一面本棚とか、積ん読が山の様とか、憧れるけど、できないな。ミニマリストの片づけ術をネットで見てて、これは自分のやっているというのがあった。郵便物でダイレクトメールとかチラシとか、いらないものは家に持ち込まず、玄関にゴミ箱を置いてそこに入れるというもの。正確にはアパートの入り口に集合ポストがあって、その脇にゴミ箱が置いてある。住所のついていないチラシはそこに捨てている。ミニマリストの部屋に憧れるし、でも壁一面の本棚にも憧れる。ただ、実際にその場に身を置いて落ち着くのは、物が少ないすっきりした空間なんだよね。

ホークアイ」のドラマにフローレンス・ピューが出てて、ヘイリー・スタインフェルドと共演しているとの情報を知った。それ、私が望んでいたやつ。入るのはDか。未解決事件シリーズも見たいし、でも今一番必要なのは「クィア・アイ」ではと思っている。ジョナサンに会いたい。5人の中で好きなのはジョナサンなんだけど、誰か一人を選べと言われたらボビー。ボビーが提案するインテリアが本当すごいよね。部屋の改造は大変だし、センスもいいからやってほしい。4人と比べるとボビーは一番作業量が多いし、力仕事だし大変そうだなと思っていたら、本人がそう愚痴っている動画があると知った。私の人生にもう一発逆転の何かなんて期待できないから、宝くじが当たったらと願っているのかも。そしたら仕事から解放される。でも、私の人生に一発逆転はない。だから解放もない。いつまで続くんだろう。もう嫌になってきた。でも、働く以外に生きていける道を見つけられない。助けてと言える人はいい。助けてを言える相手がいる人もいい。いない場合はどうしたらいいんだろう。ジョナサンなら何て言ってくれるだろう。

去年読んで面白かった「サラ金の歴史」が新書大賞の大賞を受賞。おめでとう。この本、とにかく面白い。金貸しの始まりは素人の高利貸し。団地の普及で借りる人の審査が簡単になったから一気に広まり、組織化される。そして、この当時主な借り手は団地の主婦。ジェンダーの観点からも面白いし、お金には人の欲望がつきもので、当時の消費の仕方なんかも関わってくる。そして、時代が進むにつれ、苦しくなってくる。90年代、本にも書かれているように、消費者金融のCMがテレビで見ない日はないくらい流れ出した。そして、新聞やニュースで知る、苛烈な取り立てや、自己破産、自殺。宮部みゆきの「火車」に書かれていたことだ。と、「火車」で思い出した。先週、小川洋子さんのラジオで「火車」の後編だったのに、聞くの忘れてた。図書館行ってしまったんだ。ああ、なんで忘れたんだ。プレミアムラジコか、聞き逃しは1週間だからまだ間に合う。閑話休題。後書きだったかな、最後の方で著者がどういう思いで本書を書いたかを記しているんだけど、それがいい。新書にネタバレってあるのかわかんないけど、これは読んでほしいから書かない。こういう志で書かれた本が大賞を取るって、嬉しいね。これでまた多くの人が読んでくれるといいね。