2023.5.10

やることがある、役割があるってそれだけで幸せなのでは。何にもない方が身軽と思えたらいいんだろうか。でも、そうは思えない。

「オール・ノット」読み終わった。感想にはネタバレあり。どこに行きつくのかなと思ったら、真央が自分を思い出すような苦学生に出会って、四葉からもらった真珠のネックレスを、その子に渡すという場面で終わる。この子は佐々木さんという高校生。時代は進んで、登場時点で大学生だった真央は40歳になっている。少し先の未来は、全然よくなっていない。多くの子どもが奨学金で高校に進む。デジタル化が進み、真央の仕事もなくなる。日本ではほとんどの店舗は無人となり、海外からの裕福層のための有人店舗が残るのみで、そこでの店員に日本人はほぼいない。真央は仕事を求めてカナダへ渡る決心をする。

柚木さんのインタビューに、前作「らんたん」を出した後、いろいろなところで女性差別シスターフッドで解決できますねと言われ、できるわけないだろうと、本来なら政治や制度が解決しないといけない問題が、個人に丸投げされていて、シスターフッドでは解決しない話を書きたかったと話している。けど、この物語も結局個人の努力でなんとかなっているような、気がする。もちろん、同性婚が認められて、ミャーコが結婚して即離婚できたのは、制度が変わったからなんだけど。柚木さんが、ミャーコのようないい加減な同性愛者が、いい加減に結婚して離婚出来てこそ平等だと言っていたのが、よかった。

舞への、四葉と一葉の対応が徹底していて、どうしてあそこまでできるんだろうと思ってしまった。本来、加害側が取るべき態度なんだろうとは思うのだけど、自分が加害側になったとき、あそこまでできるだろうかと考えてしまった。

人が人に出会って救われる話は、あんまり好きではない。だって、それは自分には訪れないから、そしたら自分は救われないんだなと思ってしまう。といいつつ、真央が佐々木さんにネックレスを渡すところで終わるのは好き。それで佐々木さんが救われるかは分からない。でも、辛い時に気にかけてくれる人がいるということは、大きな支えになると思うんだよ。四葉の宝石箱が、真央を苦境から完璧に救えなかったけど、四葉の存在がその時の真央の支えになったように、その後も真央の人生に影響を与えたように、きっと佐々木さんにもあるといいよねと思って終われるラストだった。

先週の今日はGW初日だったんだよー戻りたいよー今からGWなら、今は先週のようなうっすら不安がないから、存分に楽しめる気がする。

「シネフィルWOWOW」に入った。今は、アジアの新作が気になる。だから「バッド・キッズ」の続きが見たい。3話で驚くことがあって、朝陽の誕生日を祝う子どもたちのシーンと、警察での両親のシーンが交互に流すところが残酷だった。この子たち、どうなっちゃうのだろう。ところで、アジアの今の作品が見たいと思っていたけど、「シネフィル」って古い作品指す言葉だっけ?違ったけ?4話で、厳良が朝陽へのお別れのプレゼントに、ペンを買おうとするんだけど、お金が足りなくて、それをポケットに入れてしまう。そのまま店を出ようとすると、店員が店の前に大量に置かれた、ビンの入ったケースを目の前に困っていた。配達員が中まで運んでくれなかったのだ。これを見た厳良が、ペンを見せて、これを運ぶからこのペンをくれないかと交渉する。このシーン好き。厳良は朝陽に盗んだペンをあげたくはなかったんだね。

なに期待しているんだろう。しいたけ読んで、嬉しい知らせが舞い込むかもに期待してしまった。もう悪くなる未来しか想像できない。現状維持すらできない気がする。やだな。結局、仕事なんだよ。仕事があるから給料が入って生活ができる。だから仕事が揺らぐと生活も揺らぐ。でも、仕事を自分ではどうすることもできない。悪くなる未来をただ待って、その時が来たら自分を責めて後悔する。いくら社会や会社が悪くても、影響を受けるのは自分なんだよね。どうしてこうなるまでほっておいたのか、どうして転職しなかったのか、どうして役に立つ資格の一つもとっておかなかったのか。頑張ってみたけどどれも成功しなくて、成功しなかったらそれは頑張っていない証拠で、でも成功するまで頑張れなかった。今消えてなくなりたいわけじゃないけど、将来そう思うときが来るはずで、そのときちゃんと消えられるかも不安。できないかもしれない。それでも生きないといけないことに耐えられないかもしれない。釈迦はこうやって悩んでいる人を見て、どう思ってるんだろうね。よくある悩みと気にも留めないんだろうね。自分は平凡だし、秀でたものもないし、神に拾われたり、釈迦に気に留めてもらえたりはできないのは承知なんだけど、せめて他の人がやっているような仕事ぐらい与えてほしかったな。それか、消えてなくなりたいと思ったときに、ちゃんと消えられる意気地か、5億を与えてほしい。全部が無理なら、5億にしてくれ。神と釈迦に文句言ってもしょうがないんだけどね。

何にも変わらない。自分の考えは通俗道徳に縛られているのかもと、本を読んだ時は思ったけど、まあ縛られているんだろうけど、だから何だというのだろう。だって結局何も変わらない。通俗道徳の通りに生きれらた方が正解の世の中で、そうできなかった自分を再確認しただけ。まあ、正解の通り生きられた方が楽かどうかは別だな。どうすることもできない。まだ、どうにかできると思っていた時期の方が楽だったな。こんな人生になるとは思っていなかった。なんでこんな目に合わないといけないんだろう。この人生が続くのは嫌だけど、この人生しか生きられないもんな。

休みの日はあっという間なんだけど、1日が長いと感じる。モーニング行って買い物して家事やって、本読んでドラマ見て昼寝しても、まだこんな時間とか、街に出て本屋うろうろして、洋服試着して、カフェで休憩と読書して帰ってから家事やって動画見ても、まだこんな時間って。仕事の時は、まだ10時、まだ14時とか全然時間が進まなくて、でも帰ったら勘違いじゃないのかというくらいにあっという間に寝る時間になる。そういえば、東京で買った本のタイトル、こんなのだったな。長いと感じる日が1日でもあればいい、みたいな。