2021.7.28

ワンダーウーマン1984」を見た。感想にはネタバレがあります。

前作は見たけど、面白くなかったし、あんまり覚えていない。続編見たら思い出すかなと思ったけど、思い出さなかった。まあ、思い出さなくても楽しめる作りにはなっている。前作もそうだったけど、アクションシーンがいまいちだった。中盤までおもしろいと思えなかったんだけど、バーバラが「ダイアナになりたい」と叶った願いを失いたくないからという自分勝手な理由でマックスに味方するところから一気に引き込まれた。バーバラはダイアナの働くスミソニアン博物館に新しく採用された博士だ。頑張ってヒール履いているけどうまく歩けなかったり、同僚や職員からも覚えられず存在感もない。自分とは正反対のダイアナになりたいと、願ったら、人から覚えてもらえるし、話を聞いてもらえるし、注目もされる。そして、不思議なパワーもついてくる。マックスに味方するということは核戦争が始まってしまうのを許してしまうことなんだけど、それでもバーバラはダイアナみたいになれた自分を手放したくない。ダイアナはスティーブに会いたいと願ったため、それと引き換えに戦う力を失う。それに気が付いてもダイアナは「願いを取り消す」となかなか言えない。バーバラには願いを取り消すよう言うけど、自分は言えなくて、でもそうしないといけないのは分かっていて、スティーブに言われて、ようやく受け入れる。このシーンがよかった。個人的にヒーローものの恋愛シーンに乗れないんだけど、これはよかった。一見ダイアナは完璧に見える。でも、人には言えない力を持っていて、大切な人を亡くしている。ダイアナは孤独だったのだ。そこにパワーのことも知っている、愛するスティーブが戻ってくる。そりゃ、「願いを取り消す」なんて言えないよね。でも、ダイアナはワンダーウーマンだから言うんですよ。言って別れた後、ダイアナは空を飛べるようになる。空軍パイロットだったスティーブの、飛ぶのは簡単だ風に乗ればいいという言葉を受けて、ダイアナは飛ぶんですよ。ロマンチック。一方、願いを手放せないバーバラ。願いが叶うと何かを失うが、バーバラはそれにぴんと来ない。ダイアナに優しさを失ったと言われてもぴんと来ない。中年になって見てわかるけど、人としての優しさって本当に大切で、でも若い時ってそれを恥ずかしいとか弱さだとかそう感じてしまうこともあって、バーバラもそうだったんじゃないかんと思った。優しさはあなたの長所だと言ってくれるダイアナと出会えてよかったと思ったんだけど、バーバラって生きてるよね?続編ありそうな終わりだったからまた出てきてほしい。ここまでダイアナとバーバラのことばかり書いたけど、敵はマックスなんだよね。敵としての魅力が薄いんだよね、マックス。びっくりしたのが、マックスとのいわゆる最終決戦のシーン、アクションシーンなし。ダイアナがマックスを通じて世界に「願いを手放して、大切なのは真実」と呼びかけるのみ。最終決戦は見せ場だと思うんだけど、でもマックスは別に力が強いわけでも、魔法が使えるわけでも、強力な武器があるわけでもないから戦いようがないんだよね。しかも、バーバラに心もっていかれてるから、正直マックスと息子の件はどうでもよかった。

前作でも思ったけど、ワンダーウーマンの衣装がださい。今回は空も飛べるようになったバーションの新しい衣装も出てくるけど、これもださい。だいたい、全身ゴールドはマーベルでデビッキが、完璧な形で出てきたから、どうしても比べてしまう。あと、あんだけ書いたけど、ダイアナの孤独とかバーバラの優しさとか、前半にもう少しエピソード入れてほしかった。