2022.8.22

録画していた「ももさんとパパゲーノ」を見た。このドラマで「パパゲーノ」という言葉を初めて知った。私は死にたいとは思っていないんだけど、ももさんの気持ちが分かる気がする。ももさんは仕事しているし、カラオケ行く友達もいるし、家族仲もいいし、大きなトラブルを抱えているようにも見えない。友達と焼肉を食べている席で、友達に「死にたいと思っている人は焼肉食べない」と言われる。昔は、私もそう思っていた。死にたいと思う人はもっと追い詰められて、娯楽を楽しむ余裕もないって。でもさ、よく考えたら一目見て死にたい人なんて分かるわけがない。多くの人が大丈夫に見えるように、正常に見えるように、なんとか生活しているんだよ。ももさんの人物像はものすごく考えて作られたものだと思う。

ももさんは、自分の大変さは、本当に大変そうな人に比べたらそうでもないから、自分が死にたいなんて思っちゃいけないと言う。この辺彼氏の言葉と混ざってうろ覚えなんだけど、分かるなと思った。「死にたい」に対して励ましたり勇気づけたりせず、気持ちを肯定してそうだよねーって、深刻にならずに受け止めてくれる。それでいい。マイナスなこと言って励まされたくないからこのブログを始めた自分には、このドラマは心地よかった。おむすびが「死ねないから生きているだけ」って言うの、いつか聞いた引きこもりラジオで言っていたのと同じだと思った。

ももも玲も雄太も仕事辞めちゃって、それが解決策とされたらいやだなと思っていたら、仕事のせいで死にたくなるけど仕事を辞められない、りょうパパが出てきたので、安心した。安心したって言うのも変な話だけど、仕事辞めるのが解決策なら解決できないし、でも書いてて思ったんだけど、3人とも仕事辞めても解決はしてないんだよね。その気持ちを抱えて生きてるわけで。解決を提示することが目的のドラマではないし、そこがいいところだと思う。「死にたい」って思わないで生きていられる方がいいに決まっている。でも、そう思ってしまうのなら、そう思ってしまう自分を否定せず、その気持ちがあると受け止めて、なんとか付き合って生きていきましょうねってことなのかも。

ももが雄太と別れるとき、今日は夜更かししようと言う。電話をしなくてもいい、ただ自分以外にも眠れない人がいると分かるだけでいい。ドラマ見る前の日だったか、作家の柚木麻子さんが、40代になって一睡もできないまま朝を迎えることが多くなったと書いているのを読んで、安心したことを思い出した。私は一睡もできないことはなくて、泣きながらでも寝ちゃうんだけど、泣いている時にこのまま眠れなかったらどうしようという不安で怖くなる。1日ぐらい眠れなくてもなんともないと言い聞かせて、その時は一瞬楽になるんだけど、もう次の瞬間には怖くなっている。だから、それを読みながら、眠れない人が他にもいるんだと安心した。そりゃ、いるよね、眠れない人。でも、夜一人で布団に入っていると、思い出せないんだよね、自分のことで精一杯で。

ちょっと驚いたんだけど、公式ホームページによると、7人目のパパゲーノは占い師の津田さんなんだって。ももが最初の方に出会う、競輪のチケット買う女性かと思っていた。正直、ドラマを見ている時は好みじゃないかもと思ったんだけど、見終わってから色々考えて、こうして思ったことを書いている。死にたいわけじゃないんだよね。これは、自分はそんなことを考えるような人間じゃないとか、否定したいわけじゃなくて。例えば、私は将来が不安で、その時「いざとなったら死ねばいい」と思って自分を慰めていて、でもいざというときに怖くなって実行できないだろうと思っている。同時に、自分が「いざとなったら死ねばいい」と思う人生を送るとは思っていなかったとも思ってしまう。仕事を辞めたくて、でも転職もできなくて、こんなはずじゃなかったのにって思っている。こんなはずなんだと言い聞かせてみても、受け入れられない自分もいる。こんなはずじゃなかったのにって思うとき、あの時ああしておけばよかったのにと後悔するとき、そう思う気持ちを否定せず、思ってもいいと、思ってしまうことを責めずにやり過ごしてきたから、気持ちの捉え方に共通点を見つけて、そこに慰められた。

日曜にお決まりの散歩1時間コース歩いてきたんだけど、1時間もないことに気が付いた。50分位だった。大雑把にしかはかってなかったから、多分30分コースも45分コースも少しずつ短いんだろうな。知らなければ1時間散歩した気分でいられたのに、知ってしまったら戻れない。次からコースを延ばして1時間歩こう。運動大事。家での運動も増やしている。散歩コースの途中に1週間2食付きで29000円のホテルがあって、今年の夏耐えられないくらい暑かったらここに泊まろうかなって思っていたんだけど、昨日見たらいつの間にか32000円に値上がりしていた。いろんなものが上がっていく。