2023.9.15

岸辺のアルバム」、繁が全部ぶちまけてしまう。その前に繁は謙作に、則子が渋谷で男と腕を組んで歩いていたと言って、反応をみるんだけど、謙作は取り合わない。それを知った雅江は、子どもの前だから平気な態度をしているけど、お母さんと二人になったら何するか分からないと言う。それを聞いて慌てて家に帰った繁だけど、雅江の言うようなことは起きておらず、2人は笑って話していた。それを見て繁は、ついに抑えきれなくなったか、全部ぶちまけてしまう。3人とも平穏な暮らしを続けるために、偽って我慢していたんだと思う。だからなんてことするんだと思うと同時に、全部背負わされちゃった繁がかわいそうだったなという気持ちもある。こんなことがあった翌日も、則子は家事をして、謙作は仕事へ行く。則子は仕事を休んで話を聞いてほしいと言うが、こんなことで仕事を休めるか、明日は大事な会議があるんだと謙作は譲らない。家族が大変な時に会社を休めない。本当は1日位休んでも、会社は平常運転。でも、それだとプライドが許さない。仕事人間にはそれは認められない。全部ぶちまけた後、繁と謙作は取っ組み合いをするけど、繁が勝つんだよね。これは明らかに謙作世代の生き方を、繁世代は否定していると書いている。

タイトルにもなっている「アルバム」という言葉が出てくる。繁がぶちまける前のこと、謙作が突然4人で散歩に行こうと言い出す。律子なんか絶対行かないタイプなのに、行く。不貞腐れている繁を誘いに謙作が部屋に入ってきて、カメラはどこだと探す。写真を撮ってアルバムに貼ろうと言う謙作に、アルバムなんて嘘ばっかりだ、偽物だと繁は言う。アルバムには笑っている写真を貼る、わざわざけんかしている写真なんて貼らないだろうと謙作は答える。繁にとってはアルバムが家族の象徴に思えたのかも。

姑獲鳥の夏」を読み始めた。懐かしいこのうんちく。読みかけの本もあったけど、まだ50ページもいっていないので、一旦やめて、キンドルアンリミテッドの期限までに「姑獲鳥の夏」と「日本の一番長い夏」を読み終える。「日本の一番長い夏」は8月に読み始めたんだけど、図書館の本に追われていてキンドル全然開いてなくて読めてなかった。「放浪記」は諦める。

柚木さんゲスト回の「味な副音声」聞いた。冷笑する人に恥をかかせるために何でもすると柚木さん。今回のテーマのスイーツも、「Y2K新書」で語られるカルチャーも、女の好きなものと見下されて冷笑されてきた。当時の自分もそれに毒されていた意識はあるので、反省。平野さんが、昔はロイヤルホストが自分にとってトップの存在だったので、流行の物を取り入れるデニーズをちょっと下に見ていたけど、最近はデニーズと出会いなおしていると言っていた。ゲートの番人の言葉に惑わされないようにしたい。柚木さんは流行のスイーツを食べるのは好奇心があるし、新しいものを取り入れようとする姿勢がいいと思うというようなことを言っていて、私も自分の趣味の分野では流行のものには乗ってみようという姿勢でいる。本なら、今なら「百鬼夜行シリーズ」。去年だったか荻上さんのラジオで、韓国文学、中国SFの次に来るのは台湾文学だと特集があったら、台湾の小説読むとか。映画は映画館にいかなくなってしまったので、乗れていない。コロナ禍前なら、MCUかな。ただ、映画館に通っていた頃は、ツイッターで流れてくる、新作映画をばんばん見ている人と比べて焦っていたので、これはよくなかった。一時期は映画の感想専用のブログやったり、ツイッターにもつぶやいていたんだけど、ほぼ反応がなく、一喜一憂して疲れてやめた。日記に好き勝手書いている今の方が楽しい。ゆっきゅんゲスト回の「聞くCINRA」も聞いた。好きな物を好きと言う前の、好きな物を好きでいること。もっとたくさん話していたんだけど、パーソナリティの一人の、授業中に机に脚を上げて毛を剃りながらあゆを歌っていたという強いエピソードにかき消されてしまった。また、後で聞こう。

この虚しさをどうすればいいんだろう。今日なら明日から3連休だからやりすごそうとできるけど、明日から3連休はそんなにないし、次は10月。11月にも1回。12月はなし。なしなし。石田純一さんの姉、桃子さんが、エアコン止められて熱中症で亡くなったというニュース。音楽家で、音楽の仕事以外はしなかったらみたいなんだけど、去年からアルバイトをはじめる。でも高齢が理由で続けられなかったみたい。そうなのか。この先どう生きたらいいんだろう。役に立たなくていいとか生産性がなくていいとか生きてるだけでいいなんて嘘。全部嘘。嘘に決まっている。結局はお金だから。万太郎だって篤志家にお金出してもらって解決したでしょ。たいていのことはお金で解決する、しないなら金額が足りないだけだって「鋼鉄紅女」でも書いてた。お金があったらエアコンは止められないし、お金があったら家を買えるから高齢になっても住むととこ失くさなくてすむ。

「大人なラジオ女子会」に銀座高級クラブのママ、山口ゆかりさんが出ていて、山口さんは働き始めて半年で店のトップになる。それは、ほぼ話術だと言っていた。確かに、多分何度も聞かれているであろう質問、なんでこの世界に入ったのかとか、にも初めてこたえるかのように答えている。落ちとかが付いているのでこの質問にはこの答と決めて、何度も答えていると思う。でもそれを感じさせない。大久保さんといとうさんがお酒好きだから働けたらいいなという流れから、大久保さんがでもお酒に飲まれるタイプだから仕事としてはだめですよねと質問。まあ、だめだろうと思って聞いていたら、山口さんは、お酒強い子が多いんですよねと、論点をずらした。お酒強い子は、酔ったふりをして、うまく接客しているんですよねと続けて、そしたら山口さんはだめとも言っていないのに、聞いている二人が、なるほど、酔ったふりしてね、飲まれるのはだめだと納得していた。これ、すごくない?否定せずに否定するみたいな。これが話術か。ちょっと話ずれるけど、先々週だったかの「オーバーザサン」で美香さんがカフェで近くに座った高齢女性の話で、一人の女性が、息子の家に行ったらめまいがする、たたきまで荷物が溢れているんだもの、という話をしたと。これ、女性が息子の家に行ったら、たたきまであふれた荷物を見て、めまいがしたという話だけど、実は、息子の嫁の愚痴だと美香さんは言っていた。つまり、嫁という言葉を出さずに、部屋が片付けられていないと嫁の愚痴を言っていると。これを思い出した。私ははっきりとは言っていないけど、遠回しのこういうこと言っていますという会話が苦手。気が付かないわけじゃないんだけど、会話終わって解散してから気が付くから嫌なの。気が付かないならずっと気が付かなければいいのに、後で思い返して、もしかしてこういう意味だったのかも、私なんて反応したっけ、まずいこと言ったかなとかぐるぐる考えてしまうので、この手の会話は苦手。といいつつ、自分もしているかもとは思う。

山口さんがクラブの世界に入った時、クミコママという有名なママがいた。今山口さんが経営しているクラブは、このクミコママから受け継いだ店。山口さんはクミコママに近づきたくて、パーティーで隣の席に座れるようにしてもらったり、人に紹介してもらったりと手を尽くした。結果、一緒に働けることになり、店も譲り受けた。当時、クミコママに近づきたいと山口さんのように考える女性は多くて、なぜ山口さんが選ばれたと思いますかとの質問に、夜の世界でやっていくという覚悟があったからと答えていた。山口さんはあの子の方がふさわしいのではと思う子がいて、クミコママにそう言ったら、クミコママがその子に聞きに行った。その子は結婚したいと言った。夜の世界でトップに立つなら、仕事もプライベートも両方は無理で、結婚したい、若いうちに子どもを産みたいと言う人では、だめだそうだ。クミコママも山口さんも独身。山口さんの休みは年1回、12月29日あたりだそう。夜の世界に限らず、何かのトップに立つというのはこういうことなんだね。やっぱり、自分には無理だ。目指してはいないけど、休み沢山ほしいし、休みの日に仕事のために時間使いたくないし、休みの日は好きなことだけしていたい。

ハヤブサ消防団」最終回。「姑獲鳥の夏」に「宗教は麻薬だと言った共産主義者がいたが、卓見だね」との言葉が出てくるまでの一連のやりとりを思い出した。丁度読んでいた所だった。パワハラを受けて自分を失くしていた彩と、東京で失敗して田舎でこんなはずじゃなかったとくすぶっていた省吾。そんな時、あなたは特別だと言ってくれる誰かが現れたら?あなたは特別だと言うアビゲイルと、あなたはただの一人の人間だと言う太郎。人間だから弱くていい。聖母ではない一人の人間として、弱くても、傷ついても、たとえ理想の人生じゃなくても、ただの人間として生きた方がいい。ハヤブサに帰りたいと展子さんが望んだ人生はどういうものだったのだろう。自分もひどい暴力を受けたのに、彩のためにすべてを話してくれた映子さんの精神力がすごい。思い出すのも辛いはずなのに。原作とラストが違うらしいので、気になり早速図書館で予約。初池井戸作品になる。