2023.9.20

「オマージュ」、感想にはネタバレあり。

映画監督のジワンは、最新作の動員数が振るわず、会社も傾き、新作製作の目途が立たない。家では夫が急に生活費を入れないと宣言し、大学生の息子は大学を辞めると言い出す。ある日、後輩から60年代に女性監督が撮影した映画が見つかり、その修復作業の仕事を紹介される。

ジワンは、調査を進めるうち、内容に不自然なつながりがあり、作品に一部がかけていることに気が付く。担当職員から監督の娘を紹介されたジワンは、娘を訪ね、監督が亡くなる直前まで過ごしていた部屋に案内してもらう。監督はそこで次回作の構想を練っていたという。部屋には監督の帽子とコートが残されていた。それを身につけてみるジワン。帽子は小津っぽい。この、帽子をかぶった監督の影が2回出てくる。1回は、長年一緒に働いてきた女性プロデューサーが業界を離れると言ってきたとき。業界は経済的に厳しい、働く環境としても厳しい、女性にとっては特に。ジワンは家事もして、自分の体調のことは後回し。生理周期が終わった後も出血が続くので受診すると、手術をすすめられる。時間がないからと断ったジワンは、その後も出血が続き、ついに倒れてしまう。

もう1回は、マンションの駐車場で練炭自殺をした女性の車を見ているとき。隣人の姿がしばらく見えないことから、ジワンは、自殺したのは隣人ではないかと疑う。警察の黄色いテープでぐるぐる巻きにされた車を、ジワンは見つめる。終盤に、実は隣人は長く家を空けていただけだと言うことが分かる。ジワンは隣人に「ありがとう」と言う。

監督の日記を頼りに、監督が通っていた喫茶店を見つける。マスターも業界に関わっていた人で、この喫茶店には多くの関係者が通っていた。マスターは監督のことを覚えていて、いつもあの席で何かを書いていたよと教えてくれる。あの帽子をかぶった監督の姿が映る。マスターから情報を得て、映画の編集を担当した女性の住所を訪ねる。長年座りっぱなしだったからと足を引きずる女性が出迎えてくれる。監督に娘がいたことを話すと、女性は知らなかったという。「あのこは貴族」の岨手監督だったと思うだけど、妊娠していることを言うと仕事が回ってこないから、隠していたって言っていたような。編集の女性は、当時の女性スタッフは長く続かなかった、監督も3作しか撮れなかったという。ジワンは3作取り、次回作の目途が立っていない。

編集の女性から封切館の情報を得て、映画館に向かうと、すでに閉館していて、館内は穴だらけでぼろぼろ。フィルムも残っていない。支配人が作っていたという大量の帽子の中から1つもらい、ジワンは映画館を跡にするが、なんと、その帽子の飾りリボンにフィルムが使われていた。急いで映画館へ向かい、帽子からフィルムを回収するジワン。その映画館は閉館しているけど、成人映画を流しているので、数人の客が入っている。映画館で光が入る場所は客席の上に空いた穴からだけなので、上映中でも構わずジワンは、光の下でフィルムを確かめる。事情を察した、館主が上映を止めてくれる。スクリーンの光が消えると、穴から差し込む光だけが、まるでスポットライトのようにジワンに降り注ぐ。いいシーンだった。そのフィルムを持って編集の女性を再び訪ねるジワン。女性に確認してもらい、欠けていた部分は、女性が煙草を吸っているシーンで、検閲で切られたのだろうとのこと。ここさ、え、それだけって思ってしまった。女性が煙草を吸っただけでカットされるのって。細部細部で当時の女性を取り巻く状況の厳しさが伝わってくる。今でも厳しい業界で、当時女性が働くことはさらに大変で、それでも3作取り上げて、新しい脚本も書いていた監督。編集の機器を今でも取っていた編集の女性。ジワンはきっと励まされたことだろう。

中年女性が主人公の作品はなるべく見るようにしていて、これはいい作品だと思った。

昨日の夜、ぶつぶつどうせ死ぬと唱えていた効果か、今日は昨日よりは少し楽。どうしてわかるかというと、台湾やっぱり行こうかなという気になっているから。気分屋なので。こういう浮かれている時にチケット予約しちゃえばいいのかな。いや、それは危険か。

姑獲鳥はまだ読み終わっていないけど、魍魎と狂骨が貸出可になっていたので、悩んで予約を2件取り消して、予約。2冊いっぺんに借りて2週間で読み切れるかは微妙だけど、頑張って読む。ただ、百鬼夜行シリーズって分厚いから、電子で買った方がいいかなと悩んでもいる。けど、全シリーズ買うと2万越え。即決は出来ない。でも、姑獲鳥はキンドルで読んでいて持ち運べるから、出先で読めていいんだよ。紙は重い。分冊になっているのも貸し出しているけど、1冊でも予約枠空けるの大変だから、下巻にたどり着くまで時間がかかりそう。最新刊を年内に読み切ると決めたので、できるところまで紙でやってみよう。やっぱり電子の方がいいってなるか、予約数の関係で借りるの時間かかりそうなら、電子を検討する。先週本屋で最新刊見たけど、隣に並んでいる文庫の3冊分と同じ高さだった。

今週は月曜祝日でいつもの週より1日少ないのに、長い。後2日もある。後2日もあるの、信じられない。休みたい。休みたい。3年位なんにもしないで過ごしたい。長い人生少しくらい休んだってという言葉も分かるんだけど、休んだ後も生きていかないといけなくて、そのこと考えると休めない。

唐突に「岸辺のアルバム」の話するけど、則子の家事の描写が多かった。家事のシーンと言えば、料理や掃除が定番だけど、「岸辺のアルバム」では、他にも窓ふき、風呂掃除、庭の水やり、床拭き、小鳥に餌やりなどなど、細かい。則子はこれを全部一人でやる。家族はそれを当たり前に享受する。だから律子は、繁が全部ぶちまけた後、則子に家を出てもいいって言って、家のことなら自分がする、週に1回まとめて掃除すればなんとかなると言う。則子は何にもわかってないとばかりに反論する。主婦の大変さを家族は何にもわかっていない。初回からずっと書かれる則子の家事描写はそれを伝えていたんだと思う。北川の仕事は、レコード制作会社の副部長だったと思うんだけど、仕事中に浮気して連れ込みにいも行けるくらい暇なの?カフェで則子と会ったり、明るいうちに則子の周りウロウロしていたけど、そんな暇なの?北川はそれをコンプレックスには思っていないよね。当時は謙作みたいな働き方が当然な社会だと思っていたけど、そうでもないのかな。業界にもよるのか。「世界サブカルチャー史」見てたら、70年代中期はもう高度経済成長期じゃないんだよね。Wikiによると、1955年頃から73年頃みたい。「岸辺のアルバム」は77年。「世界サブカルチャー史」で多摩川の氾濫も出ていた。やっぱり最初から見たかった。日本編はシーズン3で、確かシーズン2はヨーロッパ編だっただよね。HNKオンデマンドで見せてほしい。

「オマージュ」はユーネクストでポイントで見た。近所のレンタルでは見かけなかった。そういえば、「そばかす」と「ユンヒへ」もポイントで見れるから、見ようかな。この2作はアマプラのレンタルにもあるけど、500円だから、ポイントでみよう。「世界サブカルチャー史」で「仁義なき戦い」が紹介されていて、いつか見ようと思っていたのでこの機会に見ようかなと調べたら、ユーネクストでは見れる。アマプラでは別チャンネルの登録が必要。あと、ツイッターで寅さんは発達障害の生きづらさを書いた作品と流れてきて、寅さんは見たことなかったというか、テレビで放送されている時に途中途中は見たことあるけど、1本を最初から最後まで見たことなくて、山田洋二苦手だから見なくてもいいかと思っていたけど、興味が出てきた。寅さんもユーネクストで全部見れて、アマプラは別契約必要。ドラマは「メディア王」に戻ろうか迷いつつ、再開。妙なカメラワークというのか、急に意味のないところでズームして、ホン・サンスンみたいと思った。更新まであと20日位で、「仁義なき戦い」だけなら見れるけど、寅さんまで見るとなると無理だから、「メディア王」と「仁義なき戦い」見て、一旦契約切って、寅さんは別の機会にするか、寅さんは見れるとこまで見て、「仁義なき戦い」見て、「メディア王」は別の機会にするかと迷って、「メディア王」を見た。他にもドラマ探したんだけど、「メディア王」は最近の作品で、完結しているというのが大きいので、見るかな。

ゆっきゅんゲストの最新回の前に、前回分を聞き直したら、ゆっきゅんがユリイカのドラン特集に記事書いていると言っていたので(これも強エピソードにかき消されて聞き直すまで忘れていた)、あれ、読んでるのに覚えてないと本棚からユリイカ取り出して読み返す。正直、よくわかんなかった。少し前に、ドランがもう映画は撮らないって発言してたよね。そういえば、ドラマもまだ見ていない。正直、「たかが世界の終わり」から面白いと思えなくなっちゃて、「マティアス&マキシム」はちょっと復活したけど、一番好きだったころの盛り上がりまではいかなかった。なので、ドラマも気になるけど、どうしようというところ。