2020.11.19

クイーンズ・ギャンビットが全何話で、自分が今何話を見ているのか把握しないまま見ていたら、先日感想書いたときに見ていた回が最終回だった。あっという間に見終わってしまった。感想にはねたばれがあります。

ロシアでボロコフとの決勝に臨むベス。ボロコフとの対決は3回目。2回目のパリはボロボロだった。ベニーの友達に誘われて、ついお酒を飲みに行ってしまう。モデルの子は、嫉妬からわざとこのタイミングで誘ったと思うんだけど、ベスも不安をごまかすためにお酒に手を出してしまう。二日酔いで試合に集中しきれないベス。彼女を見るボロコフの視線は、ベスには相当痛かったと思う。帰国してからますます酒に依存するようになるベス。家を譲ると言った養父が突然、そんなこと言ってない家は売るって言ってきて、はあ、なにこいつって感じだったんだけど、ベスは言い値で家を買うことにする。これでお金がなくなったことがさらにベスを追い詰めていく。養父とアルマは結婚生活が上手くいっていなくて、アルマが養子をほしがったことからベスを引き取る。でも、改善しなくて、養父はアルマから、家庭から逃げる。アルマは酒を飲んでテレビを観ているだけの一見すると無気力な生活を送るが、実はピアノの才能がある。人前では緊張して弾けないからその道は諦めたというが、ベスの試合で滞在したホテルのラウンジで腕前を披露し、拍手ももらう。ベスの実母も、たぶん数学の才能があるように書かれている。アルマは家庭に入ることで才能が抑圧され、ベスの実母は誰からも助けてもらえずベスと心中を図った。酒におぼれていくベスを救ったのは、それまでのベスが出会った人たちだった。チェスを教えてくれた用務員のシャイベルは、ベスの記事を集め、大会に出るのにお金を貸してほしいという手紙まで保管していた。ニュースで活躍を見ていたというジョリーンは、ロースクールへ通うために貯めていた費用を、ロシアへの遠征費として貸してくれる。そして、勝敗が付かず翌日に持ち越されたボロコフとの決勝を前にしたベスの元に、1本の電話がかかってくる。その先に待っていたのは胸の熱くなる展開。かつてベニーは、ロシアの強さを、チームで戦っているからと語った。数名で試合を振り返り、分析をしている。それが試合に還元される。アメリカは個人主義だからそれがないと言っていたベニーの元に、ハリーやマイクにマックが集まり、ベスとボロコフのそれまでの試合を分析しているのだ。ハリー、最初に出てきたときはすぐに消えるキャラだと思っていたのに(ごめんね)、いいやつだなー。

ベスの衣装も見どころの一つだった。全部かわいい。ベスの洋服へのこだわりは、施設の服を着ている自分を笑った同級生への、劣等感が忘れられないのかなと思った。その時の同級生と再会する場面が2回出てくる。1回目はベスがチェスの大会で優勝して地元でも有名になった頃。同級生は卒業と同時に結婚して、子どももいる。その時ベスは、世界の大会には男性もたくさんいると言って、同級生を困惑させる。これは、彼女の家で行われたパーティーに招かれたとき、大会には男の子もたくさんいるんでしょ、って話を振られてうまく答えられないうえに、テレビから流れる曲に合わせて歌いリズムをとる女の子たちについていけなかったことを、ベスは忘れていないんだなってことが分かる。帰りにその家から酒を盗んで飲んじゃうしね。2回目は、酒におぼれている時。同級生も同じ酒屋の袋をも持っているのが写される。たしか、最初の再会の時も、赤ちゃんを載せカートの下に、同じ袋が映っていたように思う。ここでも女性の生きづらさが表現されているように思った。

ベスの洋服を、メディアは「華やかすぎる」と表現する。まあ、批判でしょうね。当時のチェス界は男性ばかりで、メディアでベスが取り上げられても、性別のことばかりに触れられ、試合で勝っても、相手が女性で勝手がつかめなかったんでしょうみたいに言われてしまう。

ラスト、ボロコフに勝ち優勝したベス。翌日、空港へ向かう途中で車を降り、歩きたい気分だと言って、外でチェスが行われている広場に向かう。そこは、沢山の机といすが並べられ、自由にチェスができるようになっている。大会も試合が進むにつれ、ベスを出待ちする人が増えて、決勝の時には会場の外に人があふれラジオからの実況に耳を傾けている。寒いだろうにみんな熱心。ロシアでのチェスの人気の高さをうかがわせる。「完全なるチェックメイト」という、実在したチェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーをモデルとした映画がある。この映画は冷戦期を舞台としていて、チェスの絶対王者として君臨していたソ連に対して、アメリカのボビーが試合を挑む。冷戦期だから、両者の肩にはチェスの試合以上のものが背負わされている。国対国として見られる。この映画を思い出して、同じ冷戦期が舞台だから、ベスへのプレッシャーは相当だろうなと予想した。予想外だったのが、ベスがロシアで応援されて、勝ち進むにつれファンが増えていく様子だ。国の威信をかけた戦いと見るのは、チェスファンより政府の方で、アメリカから監視役がついてきてる。金は出し渋るくせに、口だけは出してくる。この監視役にかまわず、車を降りるベスは、全身真っ白。頭の上のベレー帽も真っ白。まるで、チェスのクイーンの駒のよう。そして、チェスの試合を始めるのは白の駒から。抑圧も孤独もプレッシャーもあるけど、チェスプレイヤーとして生きていくというベスの宣言のようにも受け取れ、いいラストだった。

エノーラ・ホームズの冒険は、連ドラではなくて単発だった。さわやかな青春もの。エノーラが第四の壁を突破してくるつくりで、こちらへの語りがナレーションの役割も果たしていて、個人的には見やすかった。シリーズ化されらたいいね。

続いて、秘密の森第2シーズンへ。お久しぶりのファン・シモクは、とある事故が気になるあまり自分の送別会をドタキャンし、相変わらずぶりを発揮。きっと昼食会も出てないはず。ハン刑事は現場から離れちょっと不満な様子。ハン刑事の新しい上司が気になる。ところで、「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」見てた頃から思ったんだけど、韓国ドラマのコーヒーとかカフェで出てくる飲み物大きくない?秘密の森でもカフェのシーンで、カップ大きいなって思った。あれはLサイズ?みんなL頼むの?私の感覚だと、友達とカフェ行くとだいたいみんなS頼むし、一人の時もS頼むから、韓国ではLが主流なのか、それともあれはSでただ大きいだけなのか。なぞ。