2021.3.11

映画館に行くと、見たい映画が増える。予告見て、チラシ見て、というのが、効く。エヴァンゲリオンが公開された、上映回数が多くて、その影響なのか、あのこは貴族の上映が1日1回になってしまった。監督と華子、美紀、逸子、里英を演じた俳優のコメンタリーが聞けると知って、また行こうと思っていた。ただ、見たい映画もたまってきたし、来週か再来週かなんて考えていたけど、1日1回でレイトショーに回されたら終電なくなる可能性があるから見に行けない。今週末行くべきか。映画好きの集まりで、エヴァ公開されたら集まろうって声掛けてもらったんだけど、見たことがないんだよね。テレビ放送始まった時は見ている友達もいて、その子たちが盛り上がってて、見た?なんで見ないの?って言われたのも覚えてるし、アニメ好きの友達も多かったんだけど、なんで見なかったんだろう。

本の「あのこは貴族」読んでて、映画では華子はマイルドな描写になってたなと思った。付き合っている彼の実家の雑煮を完コピするって怖いから。あと、紹介された男性が関西弁で、東京以外の男性を紹介されるということが完全に頭になかったことが明らかになって、相手が東京の人というのは当然のように思っていたけど、第一優先になるって、本では三人称の視点で語られるが、映画では逸子がそれを代弁する。本でも映画でも華子はあまり自分の気持ちを言葉にしない。岨手監督の「グット・ストライプス」見た。気になってたんだ。「あのこは貴族」を見てから見ると、岨手監督は階層を書くことに元から関心があったんだと思った。緑と真生は付き合って4年目。破局寸前の2人だが、妊娠をきっかけに結婚を決め、一緒に住んだり、家族にあったり、互いのことを知っていく。緑は地方から東京に出てきてて、父親は鉄工所、母は経理、姉はでぶ、妹は花火職人という家族。緑は妹以外の実家とはうまくいっておらず、地方になじめずに東京に出た。真生はたぶん東京出身で、両親は離婚、母親が医者で小学校の前に出ていった父親はカメラマン。学生時代からの男友達と交流が続いている。緑は結婚祝いをしてもらうのに、真生の友達と会うが、話が合わずつまらなそうにしている。前にあった時「髪型が荻窪っぽい」と言われたせいで、髪形を気にするし、メイクもこの時だけ濃いのも気になる。祝いの会の主役の一人である緑は妊娠中でお酒が飲めないのに、真生も友達もお酒を飲んで、誰も緑を気遣う人がいない。緑が飲めないんだから、例えば昼に集まってお酒なしにするとか、ノンアルコールが豊富な店を選ぶとか、そういう気遣いがない。こういう、男のダメさを書くのがうまい監督だなと思った。真生は浮気するし、しかもやってる最中に「動物みたい」とか言って相手を怒らせる無神経さ。真生の父親も、再婚相手が妊娠していること言わなかったりとずるいところがある。「あのこは貴族」では、幸一郎を女性同士を分断させる悪役みたいに書かなくて、家の犠牲者としての幸一郎の生きづらさも書いていた。

緑も華子と同じ三姉妹。妹と緑は仲良くて、物語ではよく見る理想の関係だと思った。おもしろいのが、姉と緑に犬猿の仲。家族でも兄弟でも合わないタイプはいると思うけど、そういうレベルじゃなく仲が悪い。姉は実家暮らしで役場の観光課に勤めている。皮肉で真生の優柔不断さをからかうも、真生には通じなくて「ありがとうございます」って言われた後の、表情の変わり様が面白かった。妹が真生に緑の部屋に入ったら殺されるよって言うんだけど、姉はそこに真生を入れてしまう。緑が一番嫌がることをわかっていて、それをやっちゃう姉。部屋に入ってきた緑が姉と取っ組み合いのけんかをはじめるんだけど、あの騒ぎを聞いても誰も部屋に来ないし、実家では日常の光景だったんだろうなと思った。この時二人を止められず、なぜか姉に叩かれる真生が、真生らしい。姉は強烈だったな。調べたら、山本裕子さんという方で、なんと、「あの女、ジルバ」に出演されていた。不覚にも覚えていない。

疲れた。チョコ食べたいけど、買い置きしてあるの全部食べてしまった。会社行きたくないし、もう休みたい。会社行かないで本読んでたい。映画館に行きたい。