2021.8.30

「ザ・チェア」は早々に見終わって、「椿の花咲く頃」も半分以上見た。3連休、ドラマばっかり見てた。配信契約したらこうなるなと予想していた通り。ドラマの感想にはネタバレがあります。

「ザ・チェア」面白かった。サンドラ・オー演じるジユンは、有色人種女性で初めて学科長になった。英文学科が舞台で、学科長に課せられたのは生徒数を増やすこと。プログラミングのように実践で役に立つような勉強ではないし、履歴書に書けるものでもないから、生徒数が減っているらしい。特に白人高齢男性教授エリオットの授業は全然生徒が集まらない。人気なのは若い黒人女性ヤスミンの授業なんだけど、彼女は終身教授にはなれていない。エリオットの生徒数が少ないからヤスミンと合同授業をすることになるが、ヤスミンが懸念した通り、エリオットはヤスミンを助手のように扱い雑用をさせる。授業で取り上げた作家について生徒が、その作家は配偶者に暴力をふるっていたと発言すると、エリオットは今は作品について話しているので作者の人格は別の話だと言う。すると別の生徒が、さっき作者が他の作家に送った手紙を取り上げて作品への影響を話したじゃないかと意見する。教室が騒がしくなり、ヤスミンがそれは後で取り上げましょうと言うが、これが2人の生徒数の差だなと思う。現実社会でも作家や俳優、監督などの表現者の差別的発言や行動は無視できないものになっている。私は作品と作者は別と割り切って楽しむことが正直できない。こういった現実社会で問題となっていることの折り込み方がうまい。人気教授のビルが話の流れでナチスの敬礼をしたものがネットで拡散され、謝罪をするという場面がある。ビルはナチスを賞賛してはいない、誤解を招いたと謝罪するが、生徒たちからこっちの受け取り方の問題にすり替えていると非難される。1話30分全6話と短いのに男女差別も有色人種であることの差別も書かれていて、さらにジユンと養子の親子関係や中年の恋も書かれていて、詰め込んだ感じもなくうまく構成されている。

「椿の花咲く頃」はオンサンというソウルからは離れた地方都市が舞台で、未婚で子どもを産んだドンベクがオンサンに引っ越してくるところから物語が始まる。未婚で子持ち、若くて美人でスナック、カメリアを経営ということで、超偏見にさらされる。男たちはドンベク目当てで店に通い、女たちは自分の夫が店に通って金を使うことを快く思わない。地域になじめないヨンベクを、地域の女たちのまとめ役の会長だけはドンベクに優しくしてくれる。会長も子どもが小さいころに夫を亡くし、一人でケジャンの店を切り盛りして息子たちを育ててきたため、同じ境遇にあるドンベクを気に掛ける。しかし、会長の息子、警察官のヨンシクがドンベクにひとめぼれしてしまい、会長とドンベクの中がこじれてしまう。基本はドンベクとヨンシクのラブストーリーなんだけど、実はオンサンでは連続殺人事件が発生していて、未だ犯人が捕まらず、ドンベクがそれに関係していることが途中でわかる。ドンベクは7歳で母親に捨てられ、他に親類もいなくて施設で育つ。ピグルの父親である男性とは10年付き合うが、男性の母親から親がいないことで交際に反対され、妊娠のことを言えずに男の元から去る。自分は愛されたことがないから普通の人たちとは違うと思っているドンベクは自分に自信がない。はっきりものを言わないドンベクにいら立つ人もいる。それでもドンベクは、店で客に手を握られたら、料理の代金に私の笑顔を手を握ることは含まれていない、ここは飲食店だと言う。そういう強さがある。ヨンシクは真直ぐに愛情を伝えてくるタイプで、ドンベクに、あなたは立派だ、仕事をしてピルグを育てて頑張っていると何度も何度も伝えてくれる。そう言われていると、ドンベクは自信がついてくる。自分も人から愛される、普通の人なんじゃないかと思えてくる、と言っていた。私が好きなのは、ヨンシムに愛されて自信を取り戻したドンベクを見て、影響される女性がいるところだ。一人はドンベクに言い寄るノ・ギュテの妻、チャヨン。もう一人がカメリアのバイト、ヒャンミ。チャヨンは有能な弁護士。夫がドンベクと不倫していると疑い、夫のカードやスマホの履歴を調べたり、カメリアを見張ったり、不倫の証拠を見つけようとしていた。ギュテがヨンシムを暴力で訴えると言ったときに夫の弁護士として同席するが、ドンベクがギュテにセクハラを受けていたと告発。震える声でその被害を訴えるドンベクを見て、チャヨンは夫を見限り、ドンベクの弁護を引き受ける。ヒャンミは借金があって、金を手に入れるために人の弱みを握って脅していた。ヒャンミはコペンハーゲンにいる男性に金を貢いで、自分もそこに行けばやり直せると信じていた。それでドンベクのお金に手を付けてしまうが、実はコペンハーゲンにいるのは弟で、弟を大学に行かせるためにヒャンミは危ないこともやって学費を工面した。弟に裏切られたヒャンミは、行くところがなくカメリアに帰ってくる。ヒャンミは自分と似た子ども時代を過ごしたドンベクが、自分とは違い人から愛されることに嫉妬もしていたが、自分を気にかけてくれるただ一人の人として好いてもいた。家族に裏切られたヒャンミにとって、ドンベクだけが、カメリアだけが帰れる家だった。実はドンベクとヒャンミは小学校時代同じクラスにいたことが分かる。ヒャンミはドンベクのIFなんだよね。だから、ヒャンミが殺されてしまっていたら、ちょっと納得いかない。ドンベクが頑張ってきたことは分かるんだけど、じゃあヒャンミは頑張ってなかったのかっていったら、そんなことなくて、人に愛されなかったら、周りの人に必要とされなかったら殺されてもいいのかといったら、絶対そんなことなくて、でも、ドンベクになれなかったから殺されたようにとらえてしまって、納得がいかない。ヒャンミのドンベクのこと好きだけど、一緒にいると自分がみじめになるって気持ちは、本当によくわかる。ヒャンミには生きていてほしい。まだわかんないよね。

金曜日は本屋行って、土曜日は部屋から出なくて、日曜日は散歩がてら図書館と本屋に行った。やっぱり歩かないとまずい。土曜日の夜、腰が痛かった。体固くなってきたし、体力も落ちてるし、ストレッチ筋トレ体操なんやかんや、ちゃんとやらないと。