2022.1.16

自分で学費も稼げない主婦が大学院に来るな、というつぶやきに、多くの人が、誰でも大学院に来てって言っているのいいなと思った。「100分でパンデミック論」で栗原さんが、大学の学費が無料になって、誰もが4年間、お金の心配をせずに自分の好きなことを研究出来たらいいと言っていたのを思い出した。それが世の中に役に立たなくてもいい、でも、役に立ってるんですよねって意味のことも言っていた。ちょっとうろ覚えで、録画も消してしまったから確認できないんだけど、いい言葉だからなんとなくニュアンスで覚えている。役に立たない研究というのは、きっと稼げない研究を指すのだと思う。仕事が全然うまくいかなくて転職も全部落ちて、大学院行こうかなって調べてこともある。今の放送大学だって現実逃避だと思っているところもある。でも、仮に仕事がうまくいっていたら放送大学に興味持たなかったかと言われると、分からない。仕事がうまくいく=長時間労働と考えると、残業残業休日出勤で、趣味や勉強に時間を取れないことでフラストレーションがたまっていた可能性もある。世の中は稼ぐだけが全てじゃなくて、生産性だけが絶対じゃなくて、世の中に生きている一人ひとりが、明日が楽しみなように生きていることが大事だから、そういった意味では、世の中の役には立ってるんじゃないかな。栗原さんの言いたいことはそうじゃないかもしれないけど。つぶやきでどなたかが言っていたけど、誰かがその分野の研究をすると、その分野が豊かになるって。いい言葉だな。ツイッター放送大学受講している知り合いが、次はこの授業を受けようと思うと書いていて、面白そうだったので調べたら、大学院の授業だった。大学院に面白そうなんだけど、調べていないので仕組みがよく分かっていない。しまった、ゼミの募集終わっていた。

昨日の「女たちのジハード」の感想がお金のことばかりなの、さすがに貧しい読み取りだなと反省。もちろんお金は大事なんだけど、この本はやっぱり、女たちの選択を書きたかったと思うからね。康子は30歳で、25歳までに結婚を決めないとという紗織たち若い女性社員のようにおおっぴらには言えないけど、焦りを抱えていて、でも、自分のことを年齢のせいでなめてくる男に会って、結婚じゃなくて自分の城を持つことを決める。絶対にここを手に入れると決意し康子の行動もすごいし、何より、自分の城を手に入れたことで変わっていく康子がよかった。それまではリサや紗織と一線ひいて接していたところもあるが、康子の家に会社のいろんな女性社員が遊びに来て、その中にはリサや紗織もいて、彼女たちと交流を深めていく。そこに、DV男から逃げて紀子がやってくる。最初はかわいい妹ができたみたいと快く面倒を見ていた康子だが、要領が悪く現実を見ようとしない紀子にだんだんいら立ちが募ってくる。それでも家においてやる康子はいい人だ。会社が、親が、世間が結婚こそが女の幸せと圧力をかけてくる中で、結婚以外の選択肢を選んだ康子、結婚以外の選択肢を自ら作り出したリサ、当初思い描いていた結婚とはかけ離れた結婚を選んだ紗織。そして、2度目の結婚を選択した紀子。テンポのいい文章でさくさく読めた。やはり、「鏡の背面」も読もう。

大学院に行く動機なんてなんでもよくて、仕事がうまくいかないでもいいっていうつぶやきを見て、ああ、いいんだって思った。仕事がうまくいかなくて大学院行こうかななんて考えて、調べていることに後ろめたさがあって、仕事に関係のない勉強している場合じゃなくて、仕事に役立つことしたらとか、現実逃避してても意味ないとか何も変わらないとか、そうやって自分のこと責めていたから、ああ、そんな理由で行ってもいいんだなって思った。