2022.3.17

会うといつもコンプレックスを抱いてしまう女性がいる。比べる必要はないと思うんだけど、ねえ、そうしてしまう。ふと、だいぶ前に読んだ「からくりからくさ」という本を思い出した。古い家で女性4人が一緒に暮らしていて、りかさんという大家さんが、穏やかで人の相談に乗ったり、さりげなく人を支えたりして、皆に好かれている。そのりかさんに1人の女性が嫉妬して、その気持ちをぶつけるというシーンがある。20年位前に1度読んだきりなので、他のことは覚えてないんだけど、ここだけ覚えているのは、その気持ちがよおく分かったからだと思う。当時の自分にはりかさんが何か特別なことをやっているようには見えなかった。人から好かれるのが人柄なら、それがない自分はいくら努力したってかなわないと思った。今読み返したら、りかさんは何かしていたと気が付くかもしれないし、仮に本当に特別なことはしていなくても、その特別なことはしないということが人から慕われる要因なのかもしれない。当時の自分は人から好かれるためには、何かをしなくてはいけないと思っていたようだ。今は自分は思っていたより人から好かれないと分かったので、当時よりは気が楽。後は、人から好かれる人の大変さも分かるようになった。そういう友達が、色んな人から相談されて、そのたくさんの悩みを聞いているだけで自分もふさぎ込んでくると言っていたし、別の友達は、ある一人の人が1日何通もメールをしてきたり、時間を問わず電話をかけてきて大変だと言っていた。自分の時間は全部自分のために使いたい、自分勝手な自分には耐えられないかもと思った。

韓国ドラマの「SKYキャッスル」を見始めた。前に見た韓国ドラマについて語る配信で、田房さんがすすめていて、気になっていた作品。選ばれた者しか住めない「SKYキャッスル」。父親は医師や大学教授、母親は専業主婦という家族構成。子どもたちも親と同じ職業に着くように幼いころから勉強するよう管理されている。ちなみに、「SKY」とは韓国の有名大学の頭文字らしい。ソウル大学しか覚えてないけど。自分の子どもが自分の思うように生きてくれないことに嘆く母親がいる。子どもが何をしたいのかを聞かずに、親の理想を押し付けて人生をコントロールしようとする。それができなくて、嘆く母親を見て、自分は自分の人生の理想を自分に押し付けないようにしようと思った。自分の人生の理想ならいいのかもしれないけど、私の自分の人生の理想には、世間や親が理想とする人生が多分に入っている。中年になってその理想も少しずつ薄れてきたけど、未だにある。だから冒頭の彼女にコンプレックスを抱く。結婚せず子どももいない自分の人生はバリキャリしかないと思い込んでいたから、そう生きている彼女に嫉妬する。しかも、彼女は結婚しているから、さらにすごいと思っている。私なんかはかなわない。比べる必要ないし、自分の人生を、理想ではない自分の人生を歩むしかない。

明日仕事行けば3連休。図書館の本が届かないので、連休中は家にいようかな。読む本なら沢山あるし、「SKYキャッスル」は36話まであるし。週1でしか図書館に行かないと、図書館で読む本が全然進まない。やっぱり、1回くらい行こうかな。