2023.6.1

昨日「SHE SAID」の感想書こうとしたのに、過去の日記を読んでそれについて書いていたら、書けなかった。感想にはネタバレあり。

原作忘れている部分もあるけど、おおむね原作に沿っていた気がする。映画は、若くて好奇心旺盛そうな女の子が、映画の撮影現場に参加する場面から始める。周りに馴染んで仕事に打ち込んでいる姿から一転、次の場面では泣きそうな表情で必死に走る姿が映る。映像表現だからできることだなと思った。あと、最後の方に、被害にあった女性たちが、被害にあった頃の年齢で出てきて、仕事したり、友達と話したり、朝目覚めたりする姿が映る。ミーガンがミラマックスに勤めていた女性に話を聞きに行ったとき、ワインスタインについて聞きに来たと知った女性が「25年待った」って言う。彼女たちは、被害にあったとき周りに相談したけど、助けてもらえなくて、加害者側の弁護士から秘密保持条項にサインをさせられて、誰にも言えなくなって、仕事もなくしてしまう。多くの女性が声をあげて、記事になって、ようやく、あの頃の彼女たちも少しは救われたのかなと思った。あの頃を思い出せるようになったのかなと思った。被害を語る女性の言葉が辛くて、涙が止まらなかったよ。ホテルの廊下で流れる音声は、実際のやりとりだと思う。これを聞いていて思ったのは、ワインスタインの目的はセックスではなくて、女性を支配することなんだなと思った。性加害を取り扱っているけど、直接の場面は描かれない。これでいいと思う。

ミーガンとジュディは子育てもしているので、大変そう。上司のレベッカはプライベートでも家族といるシーンがないから、独身なのかなと考えると、新聞社の働き方も変わってきたのかなと思った。時代が変わったと言えば、輪転機が出てこない。スピルバーグの「ペンタンゴン・ペーパーズ」で最高の輪転機シーンがあるでしょ、でも、現代だとカチッとクリックして終わり。時代が変わったといえばそれまでだけど、ちょっと寂しい。ミーガンとジュディが取材に行くとき、2人とも白のワンピースで洋服が被って、双子みたいって笑うシーンが、好き。重い題材を取材していて、話を聞くのも辛いと思うし、自身も後をつけられるなど危険な目に合っているけど、2人が一つずつ着実に取材を重ねて、関係者から証言を取って進めていく感じがよかった。

映画も本も、トランプ元大統領の性加害が最初に書かれる。ミーガンは元々こっちの取材をしていた。映画の途中で、FOXニュースの性加害が報じられる。これは、「スキャンダル」で書かれた事件。被害者の一人が、ワインスタインだけの問題じゃなくて、加害者を許している制度の問題だと指摘するように、トランプもワインスタインも、弁護士が秘密保持条項にサインさせて示談金を払うという同じ手口を使う。

記事が公開され、ハリウッドでのME TOO運動につながっていく。翻って日本ではどうだろうと考える。ジャニーズでの性加害が報じられたけど、その後メディアは積極的に取り上げていないし、彼らを起用していた番組や媒体からの声明もない。

こないだ、「無駄学」の記事読んだ。その中でも取り上げられている蟻の話は前にも読んだことがあって、蟻は集団の3割が働かずにいるが、これは、何かがあった時に、この3割が力を発揮して集団を守るため、蟻はこのように進化したと。でも、自分は蟻じゃないしな、と思った記憶がある。今回の記事の中で、不測の事態が起こった時に、普段は働いていない社員が、「自分は仕事しないで本ばかり読んでたので、こんなこと知ってますよ」と3割の蟻の役割をしてくれると書いてるんだけど、この社員、心強くない?自分が仕事さぼってると言えて、働いてないから成果もあげてないだろうし、なのに不測の事態に対応できると自信があって、自ら申し出るって、なんでできるの?鷹野なの?心に鷹野を持った方がいいのか。

目を背けていた、開放と固定のリスト作りに取り掛かろうかな。「限りある時間の使い方」に書いてあったんだけど、取り組むことを明確にして実際取り組めるように、まず開放リストに抱えているタスクを全部書く。悪夢のような長さになるけど、書く。その中から例えば10個までと数を決めて、固定リストに移す。これが、取り組むべきタスク。悪夢のような長さより、見たくないもの見なきゃいけなくて嫌だ。それを現実と呼ぶ。別に3割の蟻のままでもいいんだよ。

昨日はポテトチップス、今日はアイスを食べた。今日から電気代も上がるし、食品もまた上がるし、食後のお菓子は控えよう。もう中年なんだから考えないと。明日も仕事とか無理。無理でも行かないといけない。やだな。どんな自分でもまあいいやと思いたい。自分を責める自分もそうしたい。昨日ほどの落ち込みはないけど、金曜日に本を読んだ時、舞いあがっちゃったんだな、感動してきっと。その落差だ。その落差がなければ、今日の状態はそんなに悪くない。まあ虚しさは相変わらずあるけど。開放リスト作ること考えただけで嫌になってきた。仕事のことを避けて通れるわけがないので、将来のこともそうで、考えたくない。考えようとすると、どうせうまくいかないといじけたり、なんでもっと頑張れなかったのか自分を責めたり、後悔がとまらなくなる。ただリストを出すだけで、やるわけじゃない。開放リストは全部やらなくていい。書くだけ。こうなってなかった自分を考えることは、こうなってしまった今の自分を否定することになるんだろうか。クィア・アイの日本編で、目標を書いて貼っていたのを見て、ずっと達成できない目標を貼るのは、今の自分にできていないってメッセージを送ることになるみたいな話なかった?そういえば、ネットフリックスで、クィア・アイ見るの忘れてた。もう解約してしまったよ。明日までにAppleTV加入して、2ヶ月後にネットフリックス戻るか、Hulu入るか。前にAppleで何見ていいか分からなかったから、今回はちょっと調べて、数本目をつけているのがあるのよ。

「ミセス・ハリス、パリへ行く」も見た。感想にはネタバレあり。

ウェルメイドな作りなので、都合のいい展開も楽しんで見れた。憧れのパリの街はストライキでゴミだらけという画が、何度も出てくる。ディオールで働くデザイナーやお針子さんたちも、顧客の無茶な要求に苦しめられ、しかも後払いなので、商売としても成り立たなくなってきている。家政婦として働いているハリスも給料が未払いだったりして、労働者が大変な立場にあることが通底して書かれている。ハリスの愛され力がすごいんだけど、レスニー・マンヴィルがチャーミングに演じているので説得力がある。分かりやすい意地悪な支配人、コルベールをイザベル・ユペールが演じていて、こういう役のユペール初めてかも。いい。最後は労働者側の要求が通るんだけど、1個あれなのが、ハリスが俳優志望の若い女性にディオールで作ったドレスを貸すんだけど、ハリスの体形併せて縫ってるはずなのに、ハリスは細身で、若い女性はグラマラスな体型で、よく着れたなとつっこんだ。