2023.11.2

NHKスペシャル「ドキュメント”宗教2世”を生きる」を見た。親が特定の宗教を信仰していて、その信仰を強いられた子どもたち。50歳のごんさんという女性は、母親がエホバの会に入り、教えを守れなかった兄を家から追い出した。このことで、教えを守らなければ母親から愛されないと思うようになる。後に兄は自殺してしまう。20でエホバの会を脱退し、その後結婚するが、15年後母親が倒れ、輸血が必要な状態となる。母親を助けたいが、エホバの会では輸血を禁止している。輸血をすると母親の信仰の40年をなかったことにしてしまうのではないかとごんさんは思い、母親の意思を尊重する。ずっとそれでよかったのかという気持ちが消えないごんさんは、現役信者の70代の女性と対話を重ねる。母親と同世代の彼女に気持ちを打ち明け、もういいよと言ってもらえたことで、母からそう言ってもらえたような気がすると言う。

ごんさんはもう一人、元信者の女性とも会い、彼女は入信した理由を、当時夫婦関係で悩み、幸せになれるならと入ったと話す。ごんさんの母親も夫婦関係と4人の子育てに悩み、幸せになれる方法があると勧誘を受けたことを、ごんさんに話している。宗教が家庭に介入しようとするとき、この父親の不在と母親の不安に付け込むやり方は、本当に卑怯だと思った。書籍「宗教右派フェミニズム」の元になったポリタスTVの特集でも、一見すると統一教会とは分からないような、子育て支援をうたったチラシで、市区町村主催のイベントとして開催されていたという事例が何個か紹介されていた。

さっき、その信仰を強いられた子どもたちと書いたけど、信仰を続ける2生たちもいる。その中の一人、20代の男性は、一度脱退したが、脱退後の生活では満たされなかったので、再び入信する。満たされなかった、という言葉がひっかかった。「ハッピークラシー」じゃないけど、幸せにならなきゃいけない、満たされていないといけない、そのために努力しないといけない、努力すれば幸せになれるのだから、そうしないのは自己責任だ、という考えは捨てないといけない。前に新聞で中年男性が宗教にはまりやすいと読んで、ああ、もう分かると思った。この虚しさを、なんとかしたい。わかる。不安や虚しさに慣れないといけないのかも。幸せな時もあれば、不安な時もある。満たされているときもあれば、虚しいときもある。不安をやり過ごして、虚しさを抱えて、なんとかかんとかやっていく。それをもしかして、ネガティブケイバビリティと言うのかも。本の予約が4番目だから、うまくいけば年内に借りられるかも。

もう一人、統一教会の職員として働く2世の女性が出てくる。彼女は世間に理解してもらうために、開かれた場での、統一教会の教えとは反対の意見を持った学者を招いてイベントを行う。また、脱会した2世とも会って、話す。2世のために何ができるか教えてほしいという彼女の問いに、脱会した2世の女性は、例え親と同じ信仰を持てなくても、親子としての関係は続けられるようになってほしいと言う。それは、そういう親もいるということで、教団がそうだということではないと食い下がる彼女に、脱会した2世の女性は、いや、教団の教えを親が守っているので教団の問題だと返す。教団職員の彼女は、自分が信じている教団の教えを否定されたくないんだなと感じた。それの否定は自分の否定になってしまうんだろう。週末、宗教2世のことをドラマ化した作品が放送されるみたいなので、見てみよう。

3連休3連休3連休。

昨日の朝日の夕刊で、「風景論」を知る。70年代、高度経済成長で全国で均一化が進む中で、風景にも国家と資本による権力構造が反映されていると、映画評論家の松田政男が「風景の死滅」で論じたのもらしい。構造の何たるかも分かんないと昨日書いたばかりなのに、もう違う論に興味をもっていかれる。でも、図書館にないな。

市外で借りた2冊は小説で薄かったこともあり、読み終わり。一枝さんは延長することにしたので余裕がある。ということで、積んでる本から「死ねまで生きる日記」を読み始める。春に東京で買った本。調べてないけど図書館にあるかもしれないし、地元でも買えると思うんだけど、旅先で本屋行くのが好きで、行ったなら何か欲しい。この頃は小説や新書が読めなくて日記ばかり読んでいたので、日記ばかり買った。で、1冊しか読んでない。この後日記以外も読めるようになったんだよね。いいことなんだけど、せっかく買ったんだから読まないと。子どもの頃からずっと「死にたい」と思っている土門さん。どうして自分は生きているんだろうと考えることをやめることができない土門さんが、その答えを探すために受けたカウンセリングの記録。「死にたいけどトッポギは食べたい」みたいな感じかな。各章の終わりに土門さんが読んで助けられた本が紹介されているんだけど、トップバッターが「八本脚の蝶」、これ、読もうと思っていたやつ。

土門さんは常に考え続けて、頭の中に言葉が「ひっきりなしに泳いでいる」ようで眠れないので、最初のカウンセラーから、それで脳が疲れて死にたいと思うようになる、健康な人はそうは思わないから、薬で脳の動きを鈍らせて、眠ることだと言われる。眠る時って、頭の中の言葉がとまらなくなる。今のところ朝まで眠れないということが幸い。寝るときに不安で泣くことも最近ないし。

「死にたいけど」は結構分かると思う部分もあったけど、「死ぬまで」は、自分とは違う考えが出てきておもしろい。土門さんは雑誌などで、行こうと思えば行ける距離にある喫茶店(喫茶店でコーヒー飲むのが好きなんだって、しかも、京都に住んでるんだって、うらやましい)や、買おうと思えば買える値段の洋服とみると不安になるらしい。本田さんと話す中で、例えばその喫茶店に行ってもその不安は消えず、それは、幸せを失うのが怖いから、感じないようにブレーキをかけているのでは、と分かる。これ、逆かも。行く前のほうが不安で、行っても楽しめないのではないか、嫌な思いをするのではないかと妄想するんだけど、行ったら楽しめるタイプ。カウンセリングの記録が面白いのは、その人の思考が見えるからかも。

金原ひとみ「ハジケテマザレ」で普通であることがコンプレックスの主人公に、個性的なバイト仲間が「普通を極めればいい」とアドバイスするの読んで、普通じゃない人の考え方だなと思った。そう思う自分も、普通の人間なんだとおもう。まあ、普通って何と聞かれたら、答えられないんだけど。ただ、主人公のいいところは、みんなが嫌いな店長の悪口言ってヒートアップしていく中、自分も店長のことは嫌いだけど、そこまで言わなくてもいいんじゃないかと思い、そこに混ざらないことんだよね。タイトルと逆じゃん。でも、場の空気に合わせてつい余計なこと言ってしまうってよくあるから、流されない主人公はすごいと思うよ。あ、バイト仲間が悪口を強要しないし、言わないことで白けないというのも大きいかも。

インフルエンザワクチン打った。今のところ副反応なし。幸いなことにインフルのワクチンでは出たことないんだよね。会社の人の子どもが通っている学校では、インフルで学級閉鎖になっているみたい。流行ってんね。来週も3連休にしたから、近場に旅行に行こうかと思っているから、打ててよかった。3連休3連休3連休。11月は祝日が1日ある。12月はまた3連休を狙って行こう。毎週3連休ならいいのに。それでも労働日が1日多いのが受け入れられない。無理無理。世の中が週休3日になるのと、宝くじで5億当たるのだったら、宝くじの方が確立高いよね。最低賃金1500円にするのに10年かかる政府の元で、週休3日なんて実現するわけない。全然大丈夫じゃないけど、どうせ死ぬから大丈夫。大丈夫。それまで何とか耐えれば大丈夫。耐えられなくなってもどうせ死ぬから大丈夫。全く大丈夫ではない。助けてほしい。どうにかしてほしい。やり直したい。どうして人生ってやり直せないんだろう。3連休明け仕事行きたくないなあ。毎朝起きるたび、ちゃんと仕事に行きたくないと思うから疲れる。思ったってしょうがないのに、毎回毎回ちゃんと思う。思っても無駄。毎朝私は無駄を繰り返す。無駄無駄。気持ちより優先されるのが労働。嫌だろうとなんだろうと、週5日1日8時間は仕事。そっから降りるのは自由だけど、二度と戻ってはこれないし、違うことすると給料ががくんと減る。転職できない中年女の現実。ブルシットだけあるだけましと思い込まなければならない。将来もらえる年金も減るけど、年金なんてもらえないしなあ。全然大丈夫じゃない。将来には不安しかない。この不安とずーっと付き合っていかないといけない。